4/19 「雨傘」

春の夜長。

 

そんなことを思う、気候的に過ごしやすい夜が続いているけれど

 

家にいると、身体も思考も嫌な太り方をしていくのを感じた。

 

だから最近、予定のない夜は散歩をする。

 

 

携帯は家に置いていく。

財布も持たない時もある。

 

 

引っ越して1ヶ月の街を

知らない方へ、知らない方へと歩いていく。

 

 

今日は家でエヴァンゲリオンを見ていた。

 

DVD1枚、4話分を見終わって

ふと落ち着くと、心の隙間で、根拠のない不安が膨らみ始めた。

 

 

22時、散歩に出た。

 

 

15分くらい歩くと、ポツポツと雨が降ってきた。

 

手ぶらだし、帰ったらすぐシャワーを浴びるつもりだったので気にせず歩き続けた。

 

また5分くらい経つと、すれ違う人たちがみんな傘を差し始めた。

 

それでもあまり気にならなかったので

少し歩いて、知らない地下鉄の駅についた。

そこで先へ進みたい気持ちに区切りがついたので、家へと引き返すことにした。

 

さらに5分後には

真夏にしか見たことない大粒の雨が滝のように降ってきた。雨宿りしてる人を何人も見た。

 

 

 

視界は霞んで、服や靴がビショビショになった。

 

 

 

巨大なプールの中にいるみたいだと思った。

 

 

全部流して、自分も水になる

そんな気分

 

 

とにかく心地よい雨だった。

 

 

 

 

 

 

家に着いたら、まず着ていたシャツを絞った。

水たまりが出来そうだった。

 

 

そして、いつもより少し熱い

シャワーを浴びた。

 

 

髪を乾かして外を見ると、雨はもうやんでいた。

 

 

 

 

 

 

あれは生まれて初めて

自分のために降った雨。

 

 

1日経った今も本気でそう思っている