10/4 「輝く人」
雨が降って急歩大会が順延になった
彼女のスピーチは賞をもらっていた
焼肉の臭いを纏ってバスに乗った
10/4が来た
1年前に全部変わってしまった
1年前に全部始まった
家族の外に
こんなに近い人との関係持ったのは
初めてだった
時間とそれに詰まった色々を
2人で過ごしてみた
考え方が変わった
自分の弱さと醜さがわかった
わからないこともあると知った
限界の存在も感じた
彼女はとてもひねくれていた
自分と違う生き方をしていた
他人の感情の脆さを知った
優しいことは簡単ではなかった
色んなところに行った
2人だけのことがたくさん増えた
いくらでも話をした
季節の主役は僕たちだった
他人の存在を感じるようになった
自分の好きなところを教えてくれた
自分は自分でいいとわかるようになった
なんでもできる気分になった
彼女はとびきり優しくて素敵だった
感受性のスポンジみたいな人だった
絶対に僕を馬鹿にしなかった
ずっと好きでいてくれた
ハリボテだった自分に
ひとつ意味が与えられた
今、僕は
あなたといることが
何よりも嬉しくてたまらない
1年